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- treatment information -

主な症状から予想される皮膚疾患

湿疹・皮膚炎
アトピー性皮膚炎
じんま疹

炎症性疾患

湿疹・皮膚炎の患者様へ

 湿疹・皮膚炎は湿疹反応と呼ばれる炎症性変化を起こした病変を主症状とする疾患の総称です。病変部は紅くなったり(紅斑)ぐちゅぐちゅ(湿潤)し、かゆみを伴います。原因・病態・部位などの観点から、さらに細かい疾患名があります。

接触皮膚炎:皮膚に直接接触した物質に対する湿疹反応です。

手湿疹:手に限局した接触皮膚炎。水仕事など手を多く使用する方に好発します。

おむつ皮膚炎:おむつのあたる部分に限局した接触皮膚炎。乳幼児や高齢者に好発します。

皮脂欠乏性皮膚炎:皮膚が乾燥すると湿疹が起きやすくなります。

脂漏性皮膚炎:頭や顔、間擦部など、皮脂が多い部位に生じる湿疹です。繰り返すフケの原因になることもあります。生後数か月の乳幼児に生じることもあります。

貨幣状皮膚炎:貨幣のような円形に近い湿疹病変が、主に下腿に生じます。悪化すると全身性に拡大し、自家感作性皮膚炎に進展することがあります。

治療はステロイド外用薬が中心となります。

かゆみに対しては抗アレルギー薬を内服します。肌質に応じたスキンケアも重要です。

アトピー性皮膚炎の患者様へ

 アトピー性皮膚炎も湿疹・皮膚炎に分類されますが、ここでは独立して記載させていただきます。アトピー性皮膚炎の要因は解明されていないことも多くありますが、免疫学的な異常やバリア機能の脆弱性など様々な要因が考えられています。全身性かゆみを伴う湿疹病変が生じ、慢性的に経過します。軽症から重症の方まで、症状の強さには個人差があります。
 治療はバリア機能の脆弱性に対して保湿をしっかりと行います。湿疹性の病変にはステロイドやタクロリムス・JAC阻害など免疫を調整する外用薬を使用します。かゆみに対しては抗アレルギー薬を内服します。これらの治療でも難治な方や中等症以上の方は、シクロスポリンという免疫を調整する内服薬やデュピルマブやネモリズマブという生物学的製剤の注射薬で治療することもできます。

じんま疹の患者様へ

 じんま疹は皮膚が限局的に紅く膨隆(膨疹)し、かゆみを伴う疾患です。発疹が全身性に出て強いかゆみを生じます。1か月以内に症状が消失する急性じんま疹と、出たり消えたりが1か月以上続く慢性じんま疹に大きく分けられます。原因のひとつとして I 型アレルギーが広く知られていますが,実際には原因を特定できることは少ないです。
 急性じんま疹は抗アレルギー薬の内服や注射などで治療します。慢性じんま疹は抗アレルギー薬内服を中心とした治療を行います。ただしそれだけでは治まらないこともしばしばあり、その際は抗アレルギー薬の増量や、H2拮抗薬・抗ロイコトリエン薬などを補助的に併用します。それでも難治な場合はオマリズマブとうい生物学的製剤の注射薬で治療することもできます。

薬疹の患者様へ

 薬疹は投与された薬物に対する反応性の皮膚症状です。一般的な薬疹は薬物が投与されて数日で全身性に紅い発疹(紅斑)が出現します。他にも様々なタイプの薬疹がありますが、スチーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症など、重症薬疹もあります。軽症か重症かの見極め、原因薬剤の推定とその中止が重要です。軽症の場合は原因薬剤の中止と対症療法で改善することが多いです。重症薬疹の場合は専門病院をご紹介いたします。

乾癬の患者様へ

 乾癬は表面に銀白色の粉(鱗屑)をともない、境界明瞭で少し盛り上がった紅い発疹(紅斑)が全身性に出る炎症性疾患で、慢性的に経過します。爪の変形や関節炎を伴うこともあります。軽症から重症の方まで、症状の強さには個人差があります。
 治療はステロイドや活性型ビタミンD3の外用薬や紫外線療法など行います。これらの治療でも難治な方や中等症以上の方は、アプレミラストというPDE4阻害剤の内服や生物学的製剤の注射薬で治療します。乾癬に対する生物学的製剤の注射薬は使用に施設制限があり、当院では行えませんので専門病院をご紹介いたします。

​感染症

伝染性膿痂疹(とびひ)の患者様へ

伝染性膿痂疹は夏期に多く、乳幼児に好発します。湿疹のような病変の表面に水ぶくれ(水疱)が生じ、それが破れてただれてきます。病変の部分に細菌が感染しています。かゆみを伴うことがしばしばありますが、掻くことにより水ぶくれの内容物が別の部位に散布され次々と病変が伝染してしまいます(「とびひ」してしまいます)。
 治療は抗菌薬の内服が第一になります。掻くことで悪化するのでかゆみを抑えるために抗アレルギー薬を内服します。

尋常性ざ瘡(にきび)の患者様へ

 尋常性ざ瘡は、皮脂の過剰分泌、毛穴のつまり、アクネ菌(にきび菌)の増殖により発生します。皮脂が過剰となり毛穴がつまると白色調(面皰)になり、やがてアクネ菌が増殖し炎症を起こして痛みを伴う紅い発疹(紅色丘疹)が生じます。思春期や青年期の方に好発します。
 治療は面皰には過酸化ベンゾイルやアダパレンの外用、感染症状に対しては抗菌薬の内服や外用となります。洗顔や肌質に応じたスキンケアも重要です。

丹毒・蜂窩織炎の患者様へ

 丹毒・蜂窩織炎は皮膚の内側の細菌感染症で、局所的に紅く腫れあがり、強い痛みを生じます。丹毒は顔面に、蜂窩織炎は下肢に好発します。
 治療は抗菌薬の注射や内服、痛みに対して解熱鎮痛薬などを使用します。患部の冷却・安静も重要です。中等症以上の場合は入院による治療も検討します。その際は専門病院をご紹介いたします。

帯状疱疹の患者様へ

 水痘・帯状疱疹ウイルス(以下、VZV)は、過去に罹患すると神経節の中に潜伏します。普段はそこでおとなしくしているのですが、宿主の免疫力低下などにより、VZVが活性化すると神経に沿って皮膚に出てきます。
 神経領域に沿って、5mm程度の水ぶくれ(小水疱)が多数集まって分布します。通常片側性に生じ、顔、腕、足、背から胸、腰~腹に好発します。神経が侵されるため強い痛みを生じます。また、治療後も長期にわたり神経痛様の痛みが持続することがしばしばあります。
 治療は抗ウイルス薬の内服、痛みに対して解熱鎮痛薬などを使用します。長期に持続する痛みには、その時期に応じた適切な内服薬にて対応します

尋常性疣贅(ウイルス性のいぼ)の患者様へ

 尋常性疣贅はヒト乳頭腫ウイルスの限局的な感染により生じます。数mm~10mm程度、表面がザラザラした常色のいぼが生じます。さまざまな年代に生じ、小児にも生じます。手やに好発します。
 治療は液体窒素による凍結療法が第一選択になります。足底の病変は難治になることが多いです。

伝染性軟属腫(みずいぼ)の患者様へ

 伝染性軟属腫は伝染性軟属腫ウイルスの限局的な感染により生じます。数mm程度の半球状で光沢のある常色のいぼが生じます。通常複数出現します。小児に好発します。ベースに乾燥肌やアトピー性皮膚炎があることがしばしばあります。掻くことにより病変の内容物が別の部位に散布されると病変が増えてしまいます。何もしなくても数か月で自然治癒すると言われています。
 治療は麻酔のテープを貼った後、トラコーマ鑷子(ピンセットのような医療機器)で内容物を圧出します。ただし、通常多発するので、処置を行わず、掻くことへの対策のみを行い自然治癒を待つことも多いです。

白癬(みずむし、たむし)の患者様へ

 白癬は皮膚に真菌(カビ)が感染することにより生じます。感染する場所により体部白癬・股部白癬・手白癬・足白癬・爪白癬などに分類されます。高温で湿度の高い環境で増殖しやすいため、に好発し、足白癬・足の爪白癬が発生頻度が高いです。いずれも病変部を少しだけ採取し、顕微鏡で真菌を確認して診断します。
足白癬:足底や趾間の皮が薄くむけた(鱗屑)り、紅くなった(紅斑)り、小さい水ぶくれ(小水疱)が出たりします。
かゆみを伴います。治療は抗真菌薬の外用になります。
爪白癬:爪が肥厚・白濁します。治療は抗真菌薬の外用もありますが、内服薬で治療することが多いです。

良性腫瘍

粉瘤の患者様へ

 粉瘤は皮膚が内側に裏返るように袋をつくってしまい、しこりとして触れるようになります。皮膚エコー検査でおおよその診断がつきます。
 良性腫瘍なので何もしなくてもよいのですが、希望があれば手術により全摘します。手術はしこり全体を含むように切開線をひいて全摘する方法と、中央に穴をあけてそこから袋をとりだす方法があります。後者の方が傷は小さくて済むのですが、部位や袋の癒着具合でできないこともあります。
 粉瘤は二次的に感染してしまうことがあります(感染性粉瘤)。感染すると紅く腫れて痛みが出てきます。感染が強いと内部に膿がたまってしまいます。感染すると全摘は難しくなります。抗菌薬内服による治療や、表面を切開して膿を排出する処置をすることがあります。

石灰化上皮腫の患者様へ

 石灰化上皮腫は毛包系由来の良性腫瘍で、皮膚の中に石のように硬くごつごつしたしこりを触れます。皮膚エコー検査でおおよその診断がつきます。良性腫瘍なので何もしなくてもよいのですが、希望があれば手術により全摘します。

脂肪腫の患者様へ

 脂肪腫は脂肪細胞が病的に増殖した良性腫瘍で、皮膚の中に軟らかいしこりを触れます。皮膚エコー検査でおおよその診断がつきます。良性腫瘍なので何もしなくてもよいのですが、希望があれば手術により全摘します。

脂漏性角化症(老人性のいぼ)の患者様へ

 脂漏性角化症は皮膚の老化現象で老人性のいぼともいわれます。高齢者の頭や顔などの露光部に黒~褐色調で表面が凸凹の盛り上がった病変が出てきます。ダーモスコピー検査(病変に光をあてて10倍程度に拡大して診る検査)でおおよその診断がつきます。良性腫瘍なので何もしなくてもよいのですが、希望があれば液体窒素による凍結療法で平らにすることができます。

悪性腫瘍

日光角化症・ボーエン病の患者様へ

 日光角化症・ボーエン病はともに表皮内の悪性腫瘍です。一見すると湿疹の様な紅い病変で、しばらく外用による治療を行っても治らないため疑われるケースがしばしばあります。初期の皮膚がんであり、この時点では転移することはありませんが、そのままにしておくと病変が大きく深くなり有棘細胞癌に進展します。
日光角化症:高齢者の顔などの露光部に好発します。複数出現することもあります。
治療はイミキモドという免疫を調整する外用薬、液体窒素による凍結療法、手術療法があります。
ボーエン病:高齢者の被覆部位に好発します。治療は手術療法が第一選択です。
手術の際は必要に応じて専門病院をご紹介いたします。

有棘細胞癌の患者様へ

 有棘細胞癌は表皮系の悪性腫瘍です。高齢者の露光部に好発します。紅く半球状に盛り上がった病変で、表面からは出血しやすいです。大きくなるにしたがって転移するリスクが上がってきます。転移を生じると生存に関わってきます。病理組織検査(病変を採取し顕微鏡で細胞とその構築を診る検査)で確定診断します。
 治療は手術療法が第一選択です。病変を根治的に切除します。診断がついたら専門病院をご紹介いたします。

基底細胞癌の患者様へ

 基底細胞癌は表皮ないし毛包系の悪性腫瘍です。高齢者の顔面に好発します。光沢がある黒色調の病変です。転移して生存に関わることはほとんどありませんが、局所破壊力は強いので、そのままにしていると、徐々に大きくなり、筋・骨まで溶かして深くなっていきます。ダーモスコピー検査(病変に光をあてて10倍程度に拡大して診る検査)でおおよその診断がつきます。病理組織検査(病変を採取し顕微鏡で細胞とその構築を診る検査)で確定診断します。
 治療は手術療法が第一選択です。病変を根治的に切除します。手術の際は必要に応じて専門病院をご紹介いたします。

悪性黒色腫の患者様へ

 悪性黒色腫は色素細胞(メラニン色素をつくる皮膚の細胞)系の悪性腫瘍です。よく「ほくろ(の様な)がん」などといわれます。高齢者の方に多いのですが、どの年齢にも生じます。不整形な黒色調の病変で、進行すれば盛り上がってきます。皮膚科で扱う皮膚がんの中では悪性度がかなり高い病気で、転移して生存に関わることがしばしばあります。ダーモスコピー検査(病変に光をあてて10倍程度に拡大して診る検査)でおおよその診断がつきます。
 治療は手術療法や進行度に応じて薬物療法を行います。診察により悪性黒色腫が疑わしいと判断した時点で専門病院をご紹介いたします。

フットケア

胼胝・鶏眼(たこ、うおのめ)の患者様へ

 胼胝・鶏眼は機械的刺激を受けることに対して反応性に皮膚表面の角質が肥厚した状態です。立つことや歩くことで機械的刺激を反復的に受ける足底に好発します。鶏眼は内部に向けて角質が肥厚しているため、立つと小石を踏んでいるような痛みを感じます。
 治療ははさみや刃物を使って、肥厚した部分を取り除きます。立ち方・歩き方に起因するので、繰り返しやすいので、定期的に処置をする方もいます。

巻き爪・陥入爪の患者様へ

 巻き爪は爪が内側に湾曲している状態です。湾曲した爪が周囲の皮膚を刺激して痛みを生じることがあります。
 陥入爪は爪の先端や爪棘が周囲の皮膚に陥入し、皮膚を損傷してしまう状態です。巻き爪、爪の切りすぎ、先端が窮屈な靴を履くことなどが原因で生じることがあります。手にも生じることがありますが、靴を履いて負荷がかかるに生じることが多いです。皮膚の損傷により二次的に細菌感染を生じ、細菌性爪囲炎になってしまうことがあります。爪周囲が紅く腫れあがり、強い痛みが生じ、重症例では爪の下に膿がたまってしまいます。
 治療は感染がある場合は抗菌薬を内服します。また必要に応じて局所麻酔下に爪棘を除去します。巻き爪に対しては必要に応じてワイヤーで矯正します(巻き爪の矯正は自費診療になります)。

その他

円形脱毛症の患者様へ

 円形脱毛症は円形の脱毛斑を生じる疾患です。進行すると頭部全体が脱毛してしまうことがあります(汎発型脱毛症)。毛包組織に対する自己免疫疾患と考えられています。
 治療はステロイド外用薬が中心となります。他に紫外線療法やステロイドの局所注射なども有効であることが多いです。中等症以上の場合は、週1-2回程度通院して集中的に治療することがあります。治療は長期間にわたることが多いです。

男性型脱毛症(AGA)の患者様へ

 男性型脱毛症は前頭部や頭頂部の頭髪が軟毛化して細く短くなり最終的には頭髪が皮表に現れなくなる状態です。毛周期の成長期が短くなり,休止期にとどまる毛包が多くなることにより生じます。日本人男性では20代後半くらいから始まり、整容的に悩まされます。頭部の毛乳頭細胞に運ばれたテストステロンが5α還元酵素の働きによりジヒドロテストステロン(DHT)に変換されて結合すると、毛母細胞の増殖が抑制され成長期が短縮するといわれています。
 治療は5α還元酵素阻害薬であるフィナステリドやデュタステリドの内服が有効です。他に血管を拡張し血流をよくしたり、頭髪の成長を促す働きがあるミノキシジルの外用もあります。

 男性型脱毛症は保険適応がなく、自費診療となります(詳細はこちら)。

多汗症の患者様へ

 多汗症は手掌や腋窩などから多量の汗がでてしまう状態です。幼少児期ないし思春期ころに発症します。精神的緊張や温熱刺激によって多量の汗がでるため、日常生活に支障が出ます。
 治療は手掌多汗症には20~50%塩化アルミニウム液の外用、腋窩多汗症では抗コリン作用のあるソフピロニウム臭化物やグリコピロニウムトシル酸塩水和物などの外用療法やボツリヌス菌の注射治療を行います(ボツリヌス菌の注射治療の際は取り寄せて行います)

薬疹
伝染性膿痂疹(とびひ)
乾癬
尋常性ざ瘡(にきび)
丹毒・蜂窩織炎
帯状疱疹
尋常性疣贅
伝染性軟属腫
白癬
粉瘤
石灰化上皮腫
たこ
基底細胞癌
日光角化症・ボーエン病
有棘細胞癌
脂肪腫
悪性黒色腫
巻き爪
脂漏性角化症
円形脱毛症
AGA
多汗症
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